ふくおか経済 2007年6月号

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「ふくおか経済」2007年6月号-1
「ふくおか経済」2007年6月号-2

【記事概要】

アジア諸国から世界へ
協業通じて
循環型社会の実現に挑む

(株)ケミテック

急激な発展を遂げるアジア諸国では、産業公害の問題が深刻化しつつある。特に、中国では、エネルギー問題を原因とした水や電力の不足、産業廃棄物問題など、これまで日本が直面してきた課題が一気に押し寄せている。今、中国では、北京オリンピックや上海万博を控え、環境保全への関心が高まり、環境ビジネスが急成長しているという。
そんな中、中国で一躍注目を集めているのが、株式会社ケミテックが製造販売する減質量型生ごみ処理機「スーパーワイティ」だ。

中国での販売を積極化

(株)ケミテックは、昨年10月、中国第2位の大手建設会社中国寧波二十冶金建設有限公司(上海市)と販売委託提携し、12月から上海で生ごみ処理機の販売を開始した。

中国寧波二十冶金建設有限公司グループは、上海を中心に公営住宅や学校など公共工事を手掛ける中央政府直轄の国営建設会社で、上海万博の施設工事の受注も決まっている。

処理法は、生ごみ処理機本体にバイオ菌を入れ、微生物に生ごみを食べさせて消化させるというもの。微生物は生ごみを食料として水蒸気と炭酸ガスとに分解し、12〜24時間で超減量するという。有機分解活性を有するのに優れた菌に栄養剤を混合したバイオ製剤を処理機に投入。生ごみを栄養素とし、バイオ活性作用で生ごみは減量する。

処理機はあくまで生ごみを食料とする微生物の活動最適条件を人為的に作るためのもので、生ごみを分解するのは微生物の力である。微生物は他種類で、それぞれの生息環境もその活動や作用も多岐にわたる。同社はその中から生ごみ処理に有効な微生物だけを厳選して、何種類かブレンドした微生物をチップ材に定着させ、機会に投入する「菌床」を作っている。何種類もの微生物の働きを同時に引き出すための環境づくりと、それを維持するための制御は容易なことではないが、これを実現することで、高い分解性能を発揮することが可能となった。

処理能力は、1000人が排出する量に相当する500kgの生ごみを、汚水や悪臭を出さず、24時間で水蒸気と二酸化炭素に分解。バイオ状態の最良値をマイコンにインプットすることにより、センサーで絶えずコントロールして、有機分解菌のみが住みやすく、他の雑菌が住みにくい環境を維持している。

中国北京科技大学と学術提携
砂漠緑化の共同研究

また、同社は今年5月、中国北京科技大学と学術提携し、砂漠緑化の共同研究をスタートした。
北京市内の生ごみ処理機の大型プラント建設と、その残滓物を土壌改良材として二次的に利用し、砂漠化が進む中国内陸部の緑化に活かす環境対策に取り組む。

現在では、食品廃棄物を肥料に変える技術は広く認知され数多く利用されている。生ごみを発酵し、水分を蒸発させ、数日ごとに残滓物を肥料として取り出すのが一般的だ(コンポスト型タイプ)。しかしこのタイプでは30〜40%が肥料として残る。また、肥料として利用しても残滓物に含まれる塩分濃度が高く、作物がうまく育たない上、作りすぎていた肥料が利用できずに山積しているのが現状だ。
一方、同社の処理機では、分解不能な残滓物をわずか3%まで減量することが可能となるので、これらの問題を解決することができる。この処理機に注目した北京科技大学の環境工学科教授が同社の研究所を視察、今回の提携が実現した。
分解不能な3%の残滓物を土壌改良材として開発することで、二次的利用する。研究が成功すれば、廃棄物を完全に処理するとともに、砂漠緑化につながるという完全な循環型社会が実現できる。

同社は、環境問題への関心が世界的な高まりを見せていることから、アジア諸国を中心に世界へ向けた市場の開拓も計画。新たな開発に挑み環境問題に力を注ぐ。
「環境で得た利益は環境事業に投資するべき。まずは、環境保全に関わる研究所を設立し、汚れた河川や海を蘇らせる研究に取り組んでいく」という同社の環境保全への取り組みに期待が高まる。

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